ヴィーガンクッキングには欠かせない「豆乳クリーム」をアニバーサリーガーデン柿迫太陽シェフに教えてもらいました!

更新日:2019/02/02 公開日:2018/10/24

ベジタリアン・ヴィーガンの方でも美味しく召し上がれる豆乳クリーム。自宅での簡単な作り方を、東京白金台の「アニバーサリーガーデン」料理長柿迫太陽(かきさこたいよう)シェフに教えていただきました。

豆乳クリームのレシピはたくさんありますが、オーガニックライフレストランのシェフ直伝のクリーム。材料は豆乳・アガべシロップ・菜種油のみで、まろやかな味に仕上がりました。

作り方は簡単。一度覚えたら味のバリエーションが広がるレシピなのでぜひお試しください。

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なぜ豆乳がクリームになるのか?


豆乳からクリームができる仕組みは、卵がマヨネーズになる仕組みと同じです。

本来、水と油は混ざりませんが、そこにレシチンが加わると乳化の手助けをします。

卵には卵黄レシチンがあるように、大豆にも大豆レシチンがあります。この大豆レシチンが乳化剤として働き、オイルと豆乳の水分を混ぜ合わせクリームになるのです。

上手に混ぜるためのコツは、水分の中にゆっくりと油をたらす事。水分の中に、油の粒が細かく混ざり合うとまろやかなクリーム状になります。

このように、水の中に油が細かく混ざった食品を「水中油滴型(O/W型)乳化製品」と呼びます。

豆乳マヨネーズを作る際は酢と豆乳と油で作りますが、豆乳クリーム同様、この乳化するレシチンの作用と攪拌が決め手となります。

アガべシロップはどんなもの?


アガベシロップは、リュウゼツラン(別名アガベ)という植物の液汁からできています。

この植物は、南米などを中心に生息し、花が咲く時期になるとデンプンが糖に変わり、花の茎の部分から甘い汁が出来ます。これを集めたものが、アガベシロップです。

アガベシロップはGI値(血糖値の上昇の度合いを表す数値)が低く、食後の血糖を急激にあげず緩やかな吸収ができるので注目されている甘味料です。

また、蜂蜜のようにトロっとしていて味も似ていますが、養蜂で行う蜂蜜とは違い、アガベシロップは植物由来なので、ヴィーガンの方にも愛用されている甘味料です。

菜種油の効果


今回この豆乳クリームを作るにあたって、柿迫シェフは、いくつかの油の候補を考え試してみたそうです。その中でも、最も豆乳とのバランスが良かったのが、菜種油。オリーブオイルなど他の油では香りが強すぎたりしたようです。

菜種油は、セイヨウアブラナからとった油で、淡白な風味が特徴です。リノール酸やリノレン酸、特にオレイン酸が豊富に含まれています。

オレイン酸は、不飽和脂肪酸の一つで、血中のコレステロールを適正に保つ働きがあります。菜種油のオレイン酸は、植物由来であるため、上手に利用することで生活習慣病の予防につながります。

アニバーサリーガーデン柿迫シェフ直伝の豆乳クリームのレシピ

作り方は簡単で、豆乳・油・アガベシロップを用意するだけ。

このクリームをベースに中にナッツ類を混ぜて利用したり、レモン汁を加えてサラダやパスタに利用したりと、活用の幅が広がるクリームです。

【材料】

  • 豆乳 100㏄
  • 菜種油 200㏄
  • アガベシロップ 適量(写真は30㏄)

【作り方】
① 豆乳をミキサーに入れ、菜種油を数回に分け、ゆっくりと糸を引くように加え撹拌していく。

② とろみがついたら一旦ミキサーを止めてアガベシロップをお好みの量加える。

③ 再び好みの固さまで攪拌して出来上がり。

【柿迫シェフからのアドバイス】

  • クリームの加え方のコツ
    菜種油は、ゆっくりと糸が細くたれていく感じで豆乳に加えていきます。自宅でミキサーを利用する際に、ミキサーの蓋がキャップになっていて丸く外すことが出来るタイプの物を利用すると、かき混ぜながら菜種油を加えることが出来るのでお勧めです。
  • クリームの固さと味付けのコツ
    アガベシロップは、お好みで加えることが出来ます。クリームの固さは、油の量で調整することが出来ます。油が多くなると固さが強くなります。
  • ミキサーのお手入れのコツ
    ミキサーをお掃除する際には、ミキサーの中に水と少量の洗剤を加えて回すと洗剤がミキサーの刃を楽に掃除してくれます。

以上、プロならではのテクニックを伝授して頂きました。ご家庭で調理する際に参考にしてみてください。

アニバーサリーガーデンのご案内

10月限定で食べられる豆乳クリームを使ったスイーツとイベントのご紹介です。

10月限定スイーツ


自然栽培打木赤皮甘栗南瓜とレーズンのパフェ

打木赤皮甘栗南瓜とは、加賀野菜のひとつ。

字のごとく皮が赤く、栗の様に円錐型の甘くしっとりした南瓜です。

一番下には豆乳クリームに南瓜を合わせたクリームを。

その上にスーパーフードのチアシード、南瓜のコンポートを重ね、最後に南瓜のアイスクリームとレーズンを添えました。

これでもか、と南瓜を使ったパフェは、甘くとろりとした口あたりで、幸せな気持ちになれます。

11月イベントご案内

毎月木曜日を中心に、野菜やお米・お茶などの生産者さんをお招きし食育セミナーを行っております。

11月15日には、青森県でお野菜を作られている、健康村の成田さんにお越しいただきます。

生産者さんの想いを聞き、そのお野菜で作ったヴィーガン料理ブッフェを堪能いただける、特別なお時間になっております。

ご興味のある方は、ぜひアニバーサリーガーデンまでお問い合わせください。

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松下 和代

松下 和代

食事は、「心のこもった温かい手で」をモットーに児童養護施設に住み込みで働く。さらに、栄養士として、ミルク会社のメールマガジンの編集・栄養・保育相談を担当後、フリーで各種保育施設の献立制作や栄養相談・テレビ・雑誌・WEB等で栄養関連の執筆を行う。現在は、ライター稼業兼、こじんまりとした料理教室を主宰。栄養士・調理師・保育士・食品アドバイザーの資格所有。趣味は、ホラー漫画とフィギア集め。