育てる感動と野菜を届ける次世代サービス。Rakuten Ragriはスマホで農家と消費者をつないで国産野菜の危機を救う。

更新日:2019/02/01 公開日:2017/10/02

こだわりの野菜を作る生産者と消費者がつながれるサービス「Rakuten Ragri(ラグリ)」。

なんと、つながり方はスマホなんです!生産者と一緒に農作物を育てて収穫するこのサービスが、多くの感動を呼んでいるそう。本気で日本の農業を変えようとしている、楽天の新しい取り組みを伺いました。

ただの野菜の宅配じゃない、野菜を育てる喜びが届く幸せ

「先日、オーガニックのイベントに出店した時には、利用者がRagriから届いた野菜で作ったお料理の写真とお手紙を一緒に持って来てくれて。どうもありがとう、と。その時は本当に嬉しかったですね。」と、話してくれたのは今回お話を伺った楽天の梅村さん(写真左から2番目)と丸山さん(写真左)。

今年の4月から始めたばかりのサービスなのに、もうファンが?!こだわりの農家さんの野菜というだけで、そんなに感動するの?そんな疑問を持ちながら詳しくお話を伺っていくと、Ragriはただお野菜を注文して買うだけではありませんでした!


Ragriは、スマートフォンを通じて、生産者と一緒にオーガニック野菜などの農作物を育てて収穫するサービスなんです。

遠隔でお野菜を代わりに育ててもらうという感じでしょうか?詳しく見てみると、

①育てたい野菜・果物や、農家さんを選びます。

農家さんの登録数は現在90以上(9月29日時点)。お野菜は旬のものが豊富。ゼリーミニトマトやフルーツカブといった、スーパーではあまり見かけないお野菜もあります。栽培開始から収穫までを1サイクルで申し込めるので、気軽に頼めるのも魅力ですね。


オーガニックや自然栽培など、農法にこだわりや想い持った生産者が集まっています。

②農家さんから実際の畑の様子が送られて来ます。
農家さんがコメントと共に成長した野菜の写真を送ってくれて、一緒に育てている気持ちになれます。

例えば、このスイスチャード。空前のサラダブームの中、カラフル野菜として人気です。カラフルな茎はいつからこの色なのか、気になりませんか?


注文して、農家さんから最初に届いた写真。

農家さん:種をまきました!これから大切に育てていきます。芽が出ましたらすぐに連絡しますので楽しみに待っていてくださいね。


しばらくして農家さんから連絡が。わぁ〜!芽が出ました!

農家さん:こんにちは。発芽しましたのでお知らせします。虫食いが多い季節なので、大切に守って育てますね。


農家さん:暑さに負けず順調に成長しています!虫が増えてますので、虫食いがでないようにしっかりとお世話させていただきます。

農家さんの苦労も伝わってきます。スイスチャードの鮮やかな茎の色がはっきりわかり、成長が見えて嬉しいです。


農家さん:お待たせしました! いよいよ収穫です♪一緒に育ててきて収穫の日を迎えたこの日がとても嬉しいです! 新鮮なまま美味しく召し上がってもらえるように早速発送の準備をいたします。

ついに収穫!なんでしょう、この湧き上がってくる達成感。ずっと大きくなるのを見守ってきたからでしょうか。そして、共に育ててくれた農家さんと喜びを分かち合いたい気持ちでいっぱいです。


さらに、農家さんと自由にコミュニケーションを取ることも可能です。頑張ってる姿が見えるので 、農家さんを応援したくなっちゃいますね。

③こちらはバーチャル農園。

畑の様子・作物の成長をスマホで観察します。水やりや肥料、雑草取りといったお手入れもできますよ。

お手入れをしっかりすると元気度が100点!この点数が高いと収穫時に届く量が増えるかも!?という楽しみがあります。

野菜を育てる過程を楽しみ、顔のわかる生産者から成長を共に見守ってきた野菜を買えるという、野菜の新しい買い方です。栽培予約・貸し農園のような感覚でRagriを利用する考え方もあります。

届く野菜それぞれの成長ストーリーがわかるからこそ、食べるときに命のありがたみが感じられ、大事にいただけますね。

他より先に赤くなったゼリートマト。

「どうやって大きくなるのかな〜?」なんて話しながら、お子さんと一緒に成長を見守ることも楽しめそうです。食育にも役立つかも。

どうして楽天が農業なの?!日本の農業が抱える厳しい問題。


高齢化により、1960年には1,400万人いた農業人口は、2015年には209万人に減少。今後、2026年には56万人になると言われています。慣行農家の平均年齢は68歳です。

このままでは国産野菜が食べられなくなる可能性も。

ある時、楽天の三木谷社長が産地で美味しい野菜を口にして感動し、日本の農業の将来はどうなるんだ!?と感じたことが、農業事業参入のキッカケでした。日本の農業をエンパワーしていこうと、チーム一丸となって取り組んでいます。


日本の農業が抱える問題。それはズバリ「後継者不足」です。なぜかというと、

  • 農地が借りられない(血縁やツテが必要)
  • お金が借りられない(農業の実績がない)
  • 収入が不安定(天気・相場・収穫量など、絶対というものがない)
  • 技術がない(新規で取り組むには開墾など難しい)

それなら、農業技術や農地の後継者不足に悩む農家と、新しく農業を始めたい人をつないで、さらに安定収­入が得られるような仕組みがあれば!?

という、夢ではないかとも思える仕組みを楽天は実際に形にしてしまったのです。


Ragriのサービスを始めるために、楽天は愛媛など西日本を中心に農家とユーザーをつなぐ事業をしていた「テレファーム」と事業提携しました。

Ragriは消費者が支払いをしてから、農家が作付けをする前払い制です。これにより、農家の安定収入が可能になりました。

また、新しい仕組みとして、後継者不在のまま引退を考える農家と新規就農者を引き合わせる承継支援の取り組み「Ragriブリッジ」を始めました。

引退を考える農家が、直接新規就農者を指導します。この間は、農家は指導料として収入を得ることもできます。

一般企業だと当たり前かもしれませんが、日本の農業では画期的と言えます。この研修生に3ヶ月で300人もの応募があったそうです。

新規就農者のサポートは野菜の作り方だけではありません。

農業は莫大なお金がかかります。助成金獲得などの経営ノウハウや、何億とかかる施設費、トラクターの共同所有など、手厚いサポートにびっくりします。

楽天とテレファームの試みは、日本の農業の仕組みを根本から変えようとしているんですね。


”ライフスタイルの中にオーガニックを。”と、日本の農業を支えていくチームとしてやっていきたいというRakuten Ragri。

オーガニックに関心を持つ大手企業も増えてきて、これからの日本の農業はさらに盛り上がりを見せそうですね。

Rakuten Ragri

楽天Ragri イベント出店情報
アースガーデン 2017
10月28日(土)・29日(日)
場所:代々木公園
http://www.earth-garden.jp/event/eg-2017-autumn/

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日本語と英語に対応、ヘルシーなレストランが1000店以上掲載されていますので、ぜひご利用ください!

岩田 絵弥曄 / Emika Iwata

岩田 絵弥曄 / Emika Iwata

ヴィーガンフードアナリスト®︎
ベジタリアン・ビーガン・グルテンフリーなどヘルシーな食のフードライターとして活動。 保育士経験から子供たちの未来を守るため、オーガニックや自然栽培など食の安全にも取り組む。インバウンド対策やアレルギー・環境問題から、ヴィーガンに関するセミナー等も開催。自身も10年以上のヴィーガン。 メディア出演:The Japan Times、日テレ「人生が変わる1分間の深イイ話」、チバテレビ「ジャルっと爆ハリ」等。