由比ヶ浜を眺めながらリフレッシュ!ヘンプを知り尽くしたオーナーが作る、絶品オーガニック・ヘンプ料理を楽しもう。麻心(まごころ)【長谷】

更新日:2019/02/02 公開日:2018/06/09

由比ヶ浜海岸に面した絶景カフェ「麻心(まごころ)」は、ヘルシーなヘンプフードを楽しめるお店。2002年夏にオープンしてから、ずっと変わらず観光客や地元の人達に愛され続けています。

ヘンプとは、麻のこと。ヘンプフードは、麻の実を様々な形で使ったヘルシー料理です。

麻心は、オーガニックのヘンプフードを中心に、ベジタリアン・ビーガン料理や、地元の魚を使った料理も豊富。様々なヘンプ商品の販売も行っています。

オーナーの森下真司(もりしたしんじ)さんは、長年ヘンプと向き合ってきた、まさに「ヘンプマスター」とも言える方。ヘンプの素晴らしさと食事の大切さを、この麻心を通して伝え続けています。

今回は、森下さんにインタビュー。お店について、ヘンプについて、そして日本人の食事について、たっぷりとお伺いしました!

麻心の場所や詳細な情報はこちら

鎌倉長谷の海沿い絶景カフェ。


※取材後、お店は一部改装されているそうです。

江ノ電「長谷駅」から歩いて海沿いへ。しばらくすると、麻心の建物が。

大きな窓にまぶしく映るのは、一面の海!

取材時はお昼過ぎに伺ったので、この後美しいサンセットを拝むことができました。

海に面した2人席は、デートにぴったりですね。


店内は木のぬくもり。窓の外の海岸とぴったりマッチした雰囲気です。お酒の種類も豊富で、海が見えなくなった夜も楽しめます。近所にあったら間違いなく通ってしまいそう(笑)

「お客様は、観光客、特に外国人の方がかなり多いですね。観光マップを見て来る方もいれば、ベジ・ビーガンの方はHappyCowで調べて来てくださる方も。

後は、このロケーションを魅力に感じて来てくださる方も多いですね。窓際の席は、『海街ダイアリー』という映画のロケで使われたんです。」と、森下さん。

確かに、観光がてら訪れたい魅力的なロケーション。仕事でお伺いしたはずが、海を眺めて心が緩むVegewelスタッフ2名。

そして、何よりの魅力は、オーナーの森下さんの人柄。お客様一人一人に気軽に声をかけ、コミュニケーションを取る森下さんに、観光客の皆さんもホッと和んで楽しそうでした。

ちなみに麻心では、食事だけではなく、店内の建材にもヘンプ=麻が使われています。日本に昔からある麻を、あらゆるところで活用していきたいというオーナーの想い。後ほど詳しくご紹介します。

全てヘンプ入り。ベジタリアン・ビーガンにもおすすめのメニューをご紹介!


麻心では、全てのメニューにヘンプを取り入れています。ナッツ・オイル・粉など、メニューによってヘンプの使い方は様々。

メニューや値段は季節毎に変わります。定期的に訪れると、新たなメニューに出会えるかも?今回は、取材時の人気メニューをご紹介していきます。

写真は一番人気の「日替わり麻心プレート(税抜1,380円)」のベジメインバージョン。

3種類のデリとヘンプサラダなど、身体に優しいラインナップ。ご飯が黒いのは、麻炭(あさすみ)が混ざっているからです!※魚メインバージョンは+100円。


こちらは「ヘンプベジカレー(S:税抜730円/R:1,180円/L:1,480円)」。7種類のスパイスに、麻の粉も加えたカレーです。

お腹の具合に合わせてサイズが選べるのも嬉しいですね。せっかくなので、ホップの代わりにヘンプの種が使われた、「ヘンプビール」と一緒にいかがでしょう?


「麻の実テンペの竜田揚げ(税抜810円)」。

「このテンペは、麻の実を入れた麻心オリジナルのもの。麻の実ナッツは発酵するので、テンペと混ぜて、一緒に発酵させて作りました。」と森下さん。


「天然酵母のヘンプパン2種(税抜400円)」。

パンにもヘンプが!黒っぽいパンには麻炭が、もう一つのパンにはヘンププロテインが入っています。添えてあるオイルももちろんヘンプオイル。

何から何までヘンプ入り。他では味わうことのできないメニューの数々、どれを食べるか迷ってしまいますね。

「麻心では、ポリシーやアレルギーなど、食事に制限がある方への対応をできる限り行っています。今まで対応を断ったことはありません。相談に乗れますので、お気軽にお声がけください。」

マクロビオティック・グルテンフリースイーツも。


麻心では、スイーツもヘルシー。マクロビオティックを取り入れた日替わりメニューを楽しめます。取材時は、グルテンフリーメニューもありました!

白砂糖、乳製品、卵は使っておらず、ベジタリアン・ビーガンの方も食べることができます。


こちらは、「豆腐のチーズ風グルテンフリータルト(税抜620円)」。見た目もほっこり可愛らしい!

ヘンプコーヒー、五穀麻茶とのセットもおすすめです。


取材時、森下さんが淹れてくれたのが、自家製の柚子酵素を使ったホットドリンク。こちらも麻炭が入っておりヘンプパワーがチャージできますよ。飲んだ後は、かなり身体がポカポカに。

本当に美味しいドリンクでした。ビール割もある模様。お仕事中ではなければチャレンジしたかったです(笑)

日本人にとって、衣食住で馴染み深い植物「麻(ヘンプ)」とは。


「麻(ヘンプ)は、古来から日本の生活に密着しているものです。縄文土器の文様に使われていたのも麻。食用としても、1万年以上前から食べられていました。

日本の主たる穀物・八穀の中には麻の実も入っています。皆さんが良く使う七味にも麻の実が入っていますよね。」と森下さん。

写真は、全て麻由来のもの。左上から時計周りに、麻炭・ヘンプパウダー・ヘンプナッツ・ヘンプオイルです。


麻は、日本だけではなく世界中で知られるものです。しかし、日本での立ち位置は、他の国とは全然違うんだよ、という森下さん。

「日本での麻の立ち位置は、伝統的なもの。麻は、払い清め、導くという意味合いで、神事に使われます。世界的にヘンプが盛り上がってきていますが、日本は唯一、麻が『伝統』と結びついている国なんです。」

日本では、神々と繋がる植物である麻。長らく日本人の衣食住全てを支えてきた植物と言っても過言ではないんですね。


食用以外にも多様に生活で使われるヘンプですが、麻心には、興味深いヘンプ商品が沢山ありました!

写真は、麻のチップを固めたヘンプブロックと、麻のチップとお米を固めたヘンププラスチックでできたお箸。

「ヘンプの茎は、多孔質。細かい穴が沢山開いているんです。つまり、通気性が良く、湿気がこもりにくい。ヨーロッパでは、このヘンプブロックで倉庫を建てているんです。」

また、ヘンプのプラスチックは硬くて丈夫。しかも、自然のものでできており、土にそのまま帰すことができるので、環境にも優しい!

「ヘンプは、3~4ヵ月で3〜4メートルも成長します。木だと5年はかかるので、そのスピードはかなりのもの。木を切って使うより、ヘンプを使う方がエコですよね。木と同様、紙なども作れるんですよ!」

取材に伺うまで、ヘンプにここまで様々な用途があるとは全く知らなかったVegewelスタッフ。ヘンプの可能性にただただ感動…!


麻心では、メニューに使用しているヘンプ食材の販売も行っています。

「伝統的な食材を大切にする、環境に配慮するという意味で、食だけではなく、ライフスタイルを通してヘンプを取り入れてもらえたら。

ベジタリアン・ビーガンの方のライフスタイルとも通じる部分があると思います。」

麻の実には、タンパク質・必須脂肪酸・ビタミンなど、人間に欠かすことのできない栄養素がバランス良く含まれており、健康食品としての注目も高まってきています。


こちらは、「コズミックヘンプ」。EM菌と麻炭を一緒にして混ぜたものです。

「EM菌が入っているということは、中に微生物がいるわけです。発酵食品に混ぜると、食品内の菌とEM菌が混ざり合い、パワーアップした食品になりますよ。」

麻心では、麻炭が入ったメニューが多くあります。ご飯に麻炭を混ぜていたり、麻炭が入った黒いパンもありました。

「炭にはデトックス効果があると言われています。普段の食事に少し麻炭を入れることで、栄養素を補い、身体の中のデトックスにもなる。麻炭をお風呂に入れるのもおすすめです。」

ヘンプは、衣食住のあらゆる分野でサポート役をしてくれるもの。他の素材に少し混ぜることで効果を発揮するんです、と森下さん。

いつもの生活に、少しだけヘンプを取り入れてみるのも良いかもしれません。


店内では、ヘンプの布商品や雑貨も販売しています。

本来日本人が食べて来たものって?地産地消、旬のものを大切に。


森下さんは、20代の7~8年ほどを海外で暮らしていたそう。

「海外から帰って来た時に、東洋医学に関わるものをやりたいなと思い、東京で整体院を開きました。健康が大きなテーマだったんです。また、伝統食というものにも注目していました。

身体の健康には食が大きく関わっています。日本人が昔から食べてきたもの、健康にはやはりそういったものが大切なのではないか?と。

麻は昔から食べていたし、地元産の魚も食していたが、乳製品やお肉はあまり食べる機会はなかった。日本に合うもの、風土に合うものを食べられる場を作りたいという想いで、麻心をオープンしたんです。」

麻心のコンセプトは「地産地消」と「季節感」。できるだけ地元の旬の食材を、そして、昔から食べられてきたものを中心に食べることを大切にしています。

「日本人は西洋で流行っているものに弱い。外から入ってくるものに感化されやすいところがありますよね。そうではなくて、本来日本人は何を食べて生きていたのかに目を向けるべきだと思うんです。

そうすると、菜食が中心だったことに気づく。海外の食生活からではなく、そういった視点でベジタリアン食に目を向けてみては。」

麻心の食事は確かにヘルシー。でも、それは日本で昔から食べられてきたものに目を向けた結果が、ベジでヘルシーなものだったというだけ。

日本で昔からあった麻の食事、そしてベジな食事。麻心で、今一度日本人が昔から食べてきたものに想いを馳せてみるのも良いかもしれません!

※記事の内容は取材時点のものであり、変更される可能性があります。来店時には、あらかじめお店にお問い合わせいただくことをお勧めします。

店舗情報

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AYA OKUDA

AYA OKUDA

フードコーディネーター
食育インストラクター
食空間コーディネーター
フードライター
食の美味しさ、楽しさ、大切さを発信すべく、地道に活動、勉強中。
得意分野は、日本の伝統行事食、食の日本史・世界史、テーブルコーディネート。
好きな分野は、カレー、ビール。