【閉店】料理は想像力。失敗を恐れず、オリジナルのベジフードを作ってみて!6889cafe(ロクハチハチキュウカフェ)【南町田】≪後編≫

更新日:2019/02/01 公開日:2017/09/17

6889cafeは2018/7/31で閉店しました。

南町田 から徒歩5分の住宅街にある、オリジナルベジレストラン「6889cafe(ロクハチハチキュウカフェ)」。

その日その日で味が異なるデリなど、オーナー友井さんの感性から生まれるベジメニューは、地元の人達のリセット食としても親しまれています。

友井さんに様々なお話を伺ってきたインタビューも今回が最終回。後編は、友井さんがビーガンになった経緯と、自宅でビーガンフードを始めるための、友井さんのアドバイスを紹介していきます!

≪前編≫地元のベジ・ノンベジから絶大な支持を得るオリジナルベジフード。6889cafe

≪中編≫レシピのないベジフードで、毎日違う楽しみ。6889cafe

6889cafeの場所や詳細な情報はこちら

ずっと身体が弱く、東洋医学を知ってビーガンの世界に。


友井さんがビーガンになったのは、25年以上前。

「生まれてからずっと身体が弱く、学校もまともに行けない子供時代でした。腎臓が弱く、疲れたり、ストレスを感じるとすぐに痛くなる。熱も出る。怠くなる。上手に付き合っていくしかない、という状況でした。社会人になってからも、それが原因で仕事を辞めざるを得ないことが何度もありました。働きたくても働けないんですね。」

その後、ご主人と知り合ってからも、体調は変わらず。ある日、たまたまご主人と一緒にいた時に体調が悪くなった友井さん。駆け込んだ病院のドクターから、初めて「東洋医療」のことを教えてもらいます。

「そこであったドクターに、治る保証はないけれど、一度動物性の食材を排除した生活をしてみては?と提案されたんです。藁にもすがる思いで、その日からさっそくやってみました。」

もともとお肉が大好きだったご主人も、一緒に食生活を変えてくれたそう。

「もともと私はお肉はあまり量を食べられない方だったんです。食べるのが好きだから、みんなで食事に行く時にはお肉も食べていたけれど、食べ過ぎると次の日辛かった。今思うと、それって、自分で合わない食材を無意識に防御していたのかもしれません。」

食生活を変えた友井さんご夫婦。しかし、最初からうまくいったわけではありませんでした。2人ともストイックになりすぎて、何と3ヵ月間、塩と水、粉だけで過ごした時もあったんだとか!

「何を食べて良いのかわからなくなって、結果、わからないものは食べない、となってしまい、水と塩、粉だけになってしまったんですね。」

その後ほどなくして、知り合いからマクロビオティックのことを教えてもらい、そこから食生活が変わっていきます。

「知り合いに話を聞いて、初めてマクロビオティックを知りました。最初に本を読んだ時に思ったのが『ナニコレ?めんどくさい!』笑。でも、食べられるもの、食材の調理の仕方などを勉強し、3ヵ月間のストイックすぎる食生活から脱出していきました。」

持病は、食生活を変えた結果、順調に改善していきます。病院にかかることもかなり少なくなり、友井さんは、野菜中心の食事が自分の身体に合っていることを確信。その後も野菜中心の食生活を続けていきます。


しかし、ある日、友人に連れて行ってもらったビーガンカフェで、決定的な違和感を感じます。

「以前色々なものを食べていたから、味付けがかなりぼんやりと感じたんです。それは、自分が食べていたマクロビ料理でも感じていたことでした。ベジフードでも、マクロビ料理でも、美味しい味付けが良い!とその時強く思いました。」

その日から、本や既存の知識だけに頼らず、自分の舌を頼りに、オリジナルベジフードの模索が始まりました。そして、それを経ての、6889cafeのオープン。

「今はカフェも忙しく、休む暇がありません。以前は会社も辞めがちで、あまり働くことができなかったので、今健康体を取り戻してその分を取り戻している気持ちです。青春を取り戻している!という感じ?昔、身体が辛くてできなかったことを、今めいっぱいやろう!と思って働いています。」

カフェの仕事も丸8年。しかし、元気に続けられているという友井さん。小学校の同窓会などで昔の友達に会うと、その変わりようにびっくりされるそう。

そして、誰より喜んでくれたのが、ご両親。友井さんの体力に、いつも驚いています。

「両親は、私が身体が弱かった頃のイメージが強く、今でも『無理しないで』と言ってくれます。それがブレーキにもなっているのかな、と。今でも頑張りすぎると、身体が痛くなったり、怠くなったりすることも。そんな時は必ずしっかり休みます。前と違うのは、復活力。しっかり休むと、すぐ復活できるようになりました。」

体調が改善したことで、性格も変わったという友井さん。もともと消極的、内向的だったのが、今ではとても社交的で明るくなったそう。

確かに、お話していても、病気がちで消極的だった頃の友井さんは、全く想像することができません。とても明るく、元気!

「身体が資本!健康な身体があれば何でもできるんです!」

家族でビーガン、お医者さんいらずの身体に!


友井さんのご主人は、5代前から南町田のこの場所に住んでいます。ご主人にも少しお話を伺いました。

「私はもともと健康体でしたが、妻と一緒に食生活を変えてから、勘が良くなったかな?と思っています。また、もともとネガティブな方ではないですが、前よりもっとポジティブになりました。」

友井さんのお宅は、ご夫婦だけではなく、2人のお子さんもビーガン。お子さんお2人も、小さい時から健康体なんだそう。

「家ではビーガンの生活ですが、子供達は外食もしますし、自分のペースで食べています。私達も強要はしていません。ただ、私が知っている食の知識は色々と教えてきたので、自分に合わない食べ物もわかっており、食べた後には自分の方法でバランスを取っています。」

上の娘さんは、今は精進料理に興味があるそうです!家族皆さん、やはり食べることが大好きなんですね。しかも、自分で自分のバランスを考えることができるのは、友井さんの経験があってこそ!

それぞれのバランスを取りながら食事を楽しめるご家族、素敵ですね。

失敗は成功のもと!想像力が大事!自宅でもっとベジフードを。


最後に、友井さんの野菜料理に対する想いをお伺いしました。

「まずは、野菜と向き合うことが大切。その時旬の野菜は、どのようにして食べられたいのか?どこようにして食べると美味しく食べられるのか?まず、そこを考えるところからだと思います。今のお母さんは、献立を考えて、それで買い物に行く。でも、昔の人は、その時あるもので、美味しいものを作ろうとしていました。」

友井さんは、お料理教室やってほしいと言われることも多いそう。しかし、料理教室では、アドバイスはできるけれど、あくまで手順だけ教えて、味見のアドバイスをすることしかできない。結局は、自分でバランスを考えて、自身の家庭のベストな味を模索していくしかない、と言います。

「私は、軌道修正をすることはできますが、そこまでです。調味料の配合、その人の炒め方や煮方によって、料理の完成形は全く違ってきます。」


お料理は想像力である、と友井さんは話してくれました。本の通り計量スプーンではかっても、決して自分のものにはならない。あくまで本の通りになるだけです。それでも、日によって全く違うものになってしまう。あとは自分がどうアレンジするか。最後は自分次第なのです。

「全く同じものを作ろうと思わないで、想像することが大切です!想像したうえで、それに近づけるようにする。失敗はあってなんぼ。失敗は成功のもとです。なのに、失敗をすると、そこでみんな『センスがない』と引っ込み思案になってしまう。それではいけません。」

食べるのが好きなら、その味を再現したい!と思うはず。友井さんは、その味を再現したくてしたくて、美味しかったものを家で再現して、家族に食べてもらうことを繰り返していたそう。それが今のお店の味に生かされています。

まずは自分でチャレンジしてみること!そして、失敗を重ねて、それを繰り返し、自分の味にしていくこと!それで、自分オリジナルの料理ができあがっていくのです。

「自分達が食べたいものを作ってみる。もし、ビーガン料理を作りたいなら、まずは調味料から変えてみると良いと思います。少し割高にはなりますが、使う量も少しで良くなるはず。天然のものは、ちょっと使うだけでしっかりと味がでます。まずは、そこの考え方からシフトしてみてください!」

もし、野菜料理を生活に取り入れたくなったら、6889cafeへ。そして、自分で作りたくなったら、友井さんに是非相談してみてください!料理は自分次第。その意味をきっと料理を通して教えてくれるはずです。

Vegewel特典

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※記事の内容は取材時点のものであり、変更される可能性があります。来店時には、あらかじめお店にお問い合わせいただくことをお勧めします。

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AYA OKUDA

AYA OKUDA

フードコーディネーター
食育インストラクター
食空間コーディネーター
フードライター
食の美味しさ、楽しさ、大切さを発信すべく、地道に活動、勉強中。
得意分野は、日本の伝統行事食、食の日本史・世界史、テーブルコーディネート。
好きな分野は、カレー、ビール。