インタビュー

クシ マクロビオティックスクール パトリシオさん×宮里未央さんインタビュー(前半) 〜毎日のことだから美味しく楽しく続けたい〜

マクロビオティック専門の料理スクール2巨頭といえば、「クシ」と「リマ」。

どちらも、多くの卒業生を輩出しており、日本の、世界のマクロビオティック文化の礎となる存在です。アメリカをはじめ世界中で実践され、心身の健康の維持と増進、精神的なやすらぎと充実感を提供しているマクロビオティック。

今回は、最近拠点を移し産まれ変わったばかりの、クシ マクロビオティックスクール代々木上原にお邪魔しました。

【クシマクロビオティックスクール概要】
http://www.kushischool.jp
〒151-0066 東京都渋谷区西原3-14-16
Tel / Fax 03-6326-6746
電話受付 水〜日 10:00~18:00
アメリカをはじめ各国で食の大切さを65年以上伝え続けてきたクシマクロビオティックの日本校として創立。現在は久司道夫先生の遺志をついで代々木上原にて開校している。


※マクロビオティックについては下記2つのサイトを参照ください。
今さら聞けない、マクロビオティックって?
http://www.kushischool.jp/macrobiotics.html


※パトリシオ・ガルシア・デ・パレデスさん(写真左)
クシマクロビオティックスクールの創立者、ディレクター、代表講師
詳細プロフィール

※宮里未央さん
Kushi Macrobiotic School運営者、講師(写真右)
詳細プロフィール

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温かくやわらかなスクールの新空間


代々木上原の閑静な住宅街を3分ほど歩くと、あっという間にクシ マクロビオティックスクールに到着します。

なんとも懐かしい建屋の趣。昭和の日本家屋です。

趣を活かしながらも綺麗にリノベーション。温故知新の佇まいです。

もともと寮だった物件とか。そのちょっと変わった間取りが、逆に楽しい場づくりに繋がっているそうです。

外観から、内壁、床と、友人達も手を貸してくれて、可能な限り自分たちでリノベーション。

荒れた庭も掃除して緑を植え、駐車スペースも鉢植えをたくさん置いて緑いっぱいのミニテラスに変身、近所の方にも喜ばれています。


パトリシオさん:
「小さな場所で、とてもアットホームな雰囲気になりました。生徒さんもリラックスしているから、リアルな感想を言ってくれます。講師と生徒さんの距離がとても近くなりましたね。マクロビオティックは毎日の生活そのものですから、スクールのあり方もとても大切だと思っています。アットホームなスクールに変わったことで、より自分たちが伝えたいことが伝わるようになったと思います」


日本家屋の持つ木の温かさや重厚さはしっかりと残っていますが、空間全体が産まれ変わった喜びに溢れています。

スクールとして必要な調理器具も美しく収納。

つい入りたくなる、つい長居をしたくなってしまう、素敵な空間です。

マクロビオティックは美味しく楽しいからこそ続く

リフォーム作業はとても楽しかった、と語るパトリシオさんと未央さん。


楽しみながら、工夫を重ねるプロセスは料理に通ずるものがあるそうです。

パトリシオさん:
「マクロビオティックは、ダイエットの手法として紹介されることも多いです。菜食主義や禁欲的生活と誤解されることも多いですね。実際には、マクロビオティックとは、食べ方や生き方について考え、実践すること全体を示します。つまり、毎日のこと、なんですよね。毎日続けるために『美味しさ』はとても大切です。美味しいからこそ楽しく続けられます。

どうやったら美味しくなるだろう、と考える工夫はとても楽しいし、新しいレシピを思いついたりするともっと楽しい。食べる楽しみが、新しいレシピによって広がることになりますから。豆腐や日本の伝統食材を使った新しいレシピが、今でもどんどん産み出されているのは、とても素晴らしい一例だと思います。

ホテルのシェフがマクロビオティックの世界と出会うと、自分の専門性と掛け合わせて、新しいレシピを無数に考え出すことができるんですよ。イタリアン×マクロビオティック、中華×マクロビオティック、という感じで。あっという間に150くらいのレシピが作られることもあります。


photo by Atsuko Numajiri

異文化と異文化が出会うと、新しいものが産み出されやすくなるんです。互いの存在からアイデアを産み出します。見た事もない食材に驚きながらも工夫して取り込んで行く。アメリカのマクロビオティックメニューに多様性があるのも、住んでいる人が持ち込んでいる文化の多様性が背景にあると思います。

マクロビオティックも1つの食文化。ですから、色々なものと出会うことでマクロビオティックの文化自体もどんどん豊かになっていくことができると考えています。そうしたら、毎日の食事がもっともっと楽しいものになっていく。素敵な循環です。

料理のバリエーションは無限だと信じています。始めるには、少し基礎が必要です。けれど、その後は無限に可能性を広げることができる。終わりはないと考えています。それくらい、楽しく、いくらでも工夫できるものだと思うのです」


パトリシオさんが日本に定着させたメニューは沢山あります。特に、乳製品、卵、砂糖を使わないスイーツへの貢献は多大です。

例えば、豆腐チーズケーキや、豆乳プディングなど。

今や、マクロビオティックやビーガンのスイーツとしてはポピュラーなメニューですが、20年前は「豆腐×チーズケーキ」への拒否反応は相当なものだったとか。それでも、じわりじわりと広めて下さったからこそ、私たちが、今、当たり前のように頂く事ができています。


photo by Atsuko Numajiri

バター、卵、牛乳を使わずにふっくらさせる焼き菓子のレシピもパトリシオさんが広めてくださいました。自然なwhole foodの食材を使って、柔らかくふっくらさせるのは簡単なことではなかったとのこと。20年前は、シンプルな家庭的なスイーツしか手に入らなかったのですから、本当にありがたい話です。


photo by Atsuko Numajiri

見た目も綺麗で美味しいものだからこそ食べてもらえる。

最初は拒否していたパティシエ達が、お客さんの反応を見て、遠方からのお客さんが増えている事を実感して、どんどんと積極的に、メニューを取り入れてくれるようになったこともあるそうです。

楽しく美味しくあることが人生を豊かにする

パトリシオさん:
「マクロビオティックはバランスです。選択肢が多く用意されていることが重要になります。うちの子供たちも、自分たちで自由に選んでいます。時代に合わせて、少し自由度の高いマクロビオティックをやっています。お弁当は白米がいいな、と思ったら白米を持っていっていますよ」

未央さん:
「しかも、自分たちでパパッとやってしまうんです。お弁当なんかも自分で作っちゃいます。大家族なので、1回に作る食事の量は多いのですが、穀物菜食ベースで育った子供たちはみんなやさしい。みんなが手伝ってくれるのでとっても助かります。私たち夫婦が忙しいと、子供達だけでリーダーを決めて食事を作ってくれることもしょっちゅうです」


なんと、お子さんは3歳くらいから包丁を握っていたとか!最初は子供用の包丁を使っていたそうですが、やはり子供の目は鋭い。

切れ味がいまひとつなので、結局、すぐに大人と同じ包丁を使うことになったそうです。

それでも、子供たちは全く問題なく包丁を使いこなしていたそうです。

子供が近づいてきて、手伝いたいと言ったら必ず一緒に作る。洗ったり、ちぎったり、できることを共有していったそうです。ちなみに、一番盛り上がるのは、現在はパエリアやピザ作りとか。

未央さん:
「子供は、人の役に立てることが嬉しいし、自分が作った食事に対する思い入れが持てるんです。一緒に作って食べる喜び、とも言いますが、共同責任になる感じですね。味付けがうまくいかなくても、これまずいよ、これいらない、という展開にはならない。次はどうしたら美味しくなるかなあ、と一緒に考えながら食事することができる。みんな食事に一生懸命になります。作る楽しさを教えていくことが大切ですね。日々の生活や健康維持は、親だけの責任ではなくて家族全員の責任なんだと自然に考えるようになります」


パトリシオ家には、沢山のお子さんがいらっしゃるそうですが、みなさん等しく、家のシェフとして活躍しているそうです。

パトリシオさん:
「私自身も、7歳からキッチンに入りました。最初は、母が作った食事の残りをアレンジするところから始めたんです。作ったものを母や兄が褒めてくれたり、ありがとうと言ってくれると本当に嬉しかったし、とても楽しかった。レシピから始める料理の勉強は、大抵美味しくできないのです。けれど、残り物を使って自分のインスピレーションでアレンジしていくことで、本当の料理の勉強が出来ました。自分のインスピレーションで作ったものは、絶対おいしく食べられるんですよ。例え味がちょっと想像と違ったとしても、次に活かせます。アレンジで腕を磨き、雑誌に載っている料理を家にある素材だけで作ることにもチャレンジしたりしていました。自分が作ると、手間が分かりますから、母親への感謝も自然に強まりますよね」


7歳から始まった、パトリシオさんの料理人生。

その原点である、工夫を楽しむ姿勢は、代々木上原のスクールにもしっかりと体現されていることが分かります。

料理はアートみたいなもの、と語るおふたり。

代々木上原のスクールは、アートに必要な感性をゆっくりと解きほぐしてくれる空気が流れているのです。

後半では、マクロビオティックと社会問題とのつながり、クシ マクロビオティックの精神についてお伝えします。

後半へ

聞き手:千葉芽弓


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こじまじゅんこ

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書いたり、登ったり、ビジネスしたり、
やりたいことしかしない人。
1年以上かけてずるずると、ベジに軸足を置くようになりました。
そのこんがらがった背景とプロセスを、
振り返るように紹介できればと思います。
ラスカル・カモノハシと共にのんびり暮らしています。

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