インタビュー

クシ マクロビオティックスクール パトリシオさん×宮里未央さんインタビュー(後半) 〜自分の内側から世界を変えていく〜

前回の記事では、生まれ変わったクシマクロビオティックスクールの様子を中心にお伝えしました。

後半では、マクロビオティックの哲学、世界観について掘り下げてお伺いします。

【クシマクロビオティックスクール概要】
http://www.kushischool.jp
〒151-0066 東京都渋谷区西原3-14-16
Tel / Fax 03-6326-6746
電話受付 水〜日 10:00~18:00
アメリカをはじめ各国で食の大切さを65年以上伝え続けてきたクシマクロビオティックの日本校として創立。現在は久司道夫先生の遺志をついで代々木上原にて開校している。


※マクロビオティックについては下記2つのサイトを参照ください。
今さら聞けない、マクロビオティックって?
http://www.kushischool.jp/macrobiotics.html

※パトリシオ・ガルシア・デ・パレデスさん(TOP写真左)
クシマクロビオティックスクールの創立者、ディレクター、代表講師
詳細プロフィール

※宮里未央さん(TOP写真右)
Kushi Macrobiotic School運営者、講師
詳細プロフィール

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食をとりまく変化と変わらない問題

欧米では、90年代に狂牛病とサルモネラ菌(卵)の問題がほぼ同時に起こり、人々の意識が大きく変わりました。一夜にして動物性のものを摂取しないと決めた人も少なくなかったそうです。

それまでも、ベジタリアンやビーガンは一定数いましたが、レストラン側の対応も含めて大きく様相が変わったのが90年代でした。

食を見つめると、時代ごとの様々な問題につながります。世界最適の食料配分、フェアトレード、食の安全性そして環境問題。ジョンレノン、ポールマッカートニーなど、様々な人々が問題提起をし続けて来ました。

一方で、サプリメントは多種多様に登場し、温めるだけ、オーダーするだけ、の食事もいくらでも選択できる世の中にもなっています。

沢山の選択肢が日々生み出される中で、パトリシオさんが大切にしているのは、食べ物を白/黒、いい/悪いで見ない、ということだそうです。


パトリシオさん:
「時代の背景も無視することはできません。ワークライフバランスを意識したら、外食やデリを活用することだって必要な選択肢です。だから、ゆっくり、ソフトな食の変化でいいと思っています。少しだけ、食材の質に気をつけてみるとか、肉食の量を調節してみるとか、外食の際のお店選びに工夫をしてみるとか。乳製品や肉類だって、必要な時は感謝していただくといいと思います。その時に、生物や環境に留意したものを選ぼうと思うだけでも意味のある行動になると思っています。


現状では、便利なものはそれなりにリスクが高い、という状況です。すぐ食べられるものは、精製されすぎ、加工されすぎ、添加物が多すぎの状況です。栄養がほとんど残っていない食品が多い。だからといって、サプリメントで補おうとすると、また危険です。よほど自分の体のことが分かっていないと過剰摂取や偏りなどの危険が伴います。

一番いいのは、ヘルシー、手作り、ナチュラルクオリティーで手軽に手に入りやすいものの選択肢を増やしていくことですよね。無理はしないけれど、もうちょっとだけ健康をサステイン(維持)できるように。完璧に毎日継続することを意識するのではなく、リセットをかけることを意識したり、バランスを戻すことを意識すればいいと思います。そのためには、マクロビオティックの知恵が役に立つはずです」

健康であることで自分の人生を活かせる

パトリシオさん:
「健康であるとは、豊かで充実した、調和のとれた人生を自分の内側から作り出していくことでもあると思います。自分の内側から健康を作りだすことが出来ると、情熱的に生きることだってできるはずです。

通ってくる生徒さんの中には、健康の問題を抱えている方もいらっしゃいますが、マクロビオティックを実践するとよい変化が出る人も多いので、生徒さん同士のつながりはとても強くなります。幸せな体験がつながりを強くしてくれるのです。

私の母も、食事療法を取り入れるまで、体調が悪く苦しんだ経験を持ちます。私が幼い頃の記憶をたどると、何日間もベッドで寝たきりの母の姿がまず浮かびます。それが、食事療法でどんどんと健康を取り戻していきました。年を重ねるにつれて更に元気になり、健康食品の販売店や料理教室を開くようになったのです。

体調が悪い時期、母にとって一番辛かったのは、自分のやりたいことをやりたいように出来ないこと、だったそうです。子供や家族の面倒をみたいのに、身体の調子が悪くて思うようにできないことがいかに辛いことなのかと。


健康が損なわれてしまうと、自分の夢や、やりたいことに十分なエネルギーを使えなくなります。逆に、健康があれば大抵のことはできます。だから、自分で健康を管理することはとても大切なことなんです。

マクロビオティックの目的は、生活に取り入れることでその人が自由になることです。本当に自由になること。だから、手段に捕われて、がんじがらめになったり、いい悪いを判断することに躍起になることは、目的から外れてしまっていると思います。

健康を自分の力で手にし、その上で、自分の人生を活かすことを常に意識して欲しいと思います」


世の中には沢山の問題が溢れている。

そして、多くの問題が食とつながっている。

でも、だからこそ、自身の内側からバランスと健康を作り出し、しっかりと自分の人生を生きることが大切なのだ、という、深く熱いメッセージです。

長い間活動できる身体をつくる

トップアスリートでマクロビオティック実践者の方も沢山いらっしゃいます。アスリートは、健康であることが大前提の職業。

例えば、小国なのに強さで世界を驚かせたモナコのフットボールチーム。食事指導が徹底しており、肉ばかりを食べずマクロビオティックに近い、バランスの取れた食事を取っていたことが取材で分かっています。

パトリシオ先生の友人には、マクロビオティックを実践している50代の現役バレエダンサーもいるそうです。1時間、ずっと舞台に出っぱなしで踊っても平気な身体を維持している。そういえば、トムクルーズもいまだにスタントマンを使わないことで有名ですね。

バランスの取れた食事で作られた筋肉は、柔らかく、質がよい。だから、長い間、現役で活動できるのだそうです。


自分の人生を活かすために、健康でいる。

とても重要なことだと頭では分かるのですが、現代社会のなかで実践するには、物理的に困難な側面も否めず。

でもだからこそ、楽しく工夫するためのスキルとして、マクロビオティックを活用すればいいのだ、とも思えて来ます。

ちなみに、パトリシオ先生のお兄さんはスペインで現役のパイロットをしているそうです。パイロットも大変厳しい体調管理を求められますが、小さいころからの食生活で健康には何の問題もなく、天職であるパイロット生活を謳歌しているとか。

西洋医学の父とも言われている古代ギリシャの医師、ヒポクラティス(BC460〜BC370ころ)は食べ物で治せないものはない、と言っていたそうです。


彼の処方は、一物全体・身土不二そのもの。薬や化学物質は早く効果が出るため、時間の節約になりそうな気がしてしまいますが、長い目で、日々の健康を維持するには食べ方と食べ物の質を見直すことがとても大切です。

久司道夫先生の志を継ぐ

それにしても、マクロビオティックをアメリカで普及成功させた
久司道夫先生とはどのような方だったのでしょうか。


http://www.kushimacrobiotics.com/kushi.html

未央さん:
「私が一番感銘を受けた久司先生のエピソードは、櫻澤如一先生(ジョージ・オーサワ)とのやりとりです。久司先生が渡米を決意された折、櫻澤先生にご報告にあがったそうです。その時、櫻澤先生から『きみはアメリカに行って何をするつもりかね?』と訊かれたと。

久司先生は『私はアメリカの将来の責任を取ります』と答えられたそうです。続いて櫻澤先生に『その後はどうするつもりかね?』と訊かれ、『その後は、全世界の将来の責任を取ります』と答えられたそうです。櫻澤先生はそれを聞いて「ありがとう、、ありがとう」と涙されたそうです。そして「柔を持って剛を制す」の精神で、本当にアベリーヌ夫人と共にアメリカの歴史を変え、世界の未来の方向性に影響を与えられました。」

パトリシオさん:
「先生が米国に渡ったのは戦争(第二次世界大戦)が終わった直後でもありました。櫻澤先生は『世界がもっと平和になるには、外からではなく、内側からやらないといけない』とよくおっしゃっていたそうです。つまり、人間性を高めるということです。人間性が高まれば、社会問題も生まれない。

全てはつながっている。One peaceful world.

食は、人間のあり方につながっているんです。久司先生は病気が治った生徒さんなどに、『このあと、あなたはどうするのですか?』と聞いていたそうです。『どうしたら世界はよくなる?』って。いつも聞いていたそうですよ」


マクロビオティックとは、単なる健康方法でも、ダイエット方法でもなく、生き方を問うものであることが分かります。

「We are What We Eat—私たちは私たちが食べるものである」

私たちは食べるものや食べ方に大きな影響をうけ、人生そのものすら変わる。

この久司先生の教えは、今や世界に定着しています。

パトリシオさんと未央さんの中にも、久司先生の志がしっかりと受け継がれているのですね。

では、最後にお二人からのメッセージです。

「自分や家族、共に生きる生物やこの地球のことに責任を持ち、日々の選択を意識して、行動すれば、少しずつでも、必ず世界は健全に、平和になります。1つの知恵として、マクロビオティックの世界を覗いてみてください」

代々木上原のぬくもりの空間から世界へ、地球へ、自分をつなげる!


クシ マクロビオティックスクールでは、指導者育成、公式認定プログラムをはじめ、季節の料理やスイーツ、伝統食文化を学ぶワークショップ、外国人向けのマクロビオティックや和食の講座や料理教室なども開催しています。

興味がある方は、是非お問い合わせください。

聞き手:千葉芽弓


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こじまじゅんこ

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書いたり、登ったり、ビジネスしたり、
やりたいことしかしない人。
1年以上かけてずるずると、ベジに軸足を置くようになりました。
そのこんがらがった背景とプロセスを、
振り返るように紹介できればと思います。
ラスカル・カモノハシと共にのんびり暮らしています。

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