ヘルシーな知識

実は無関係?桃太郎と岡山のきびだんご

きびだんごは岡山県の特産品で、昔話「桃太郎」の中に出てくる食べ物としても有名です。漢字で書くと「黍団子」「吉備団子」の2つがありますが、黍団子は岡山県の特産品というわけではなく、黍(きび)で作られた団子全般を指すようです。

岡山県の特産品としては「吉備団子」の漢字が使われます。これは、材料に使われる「黍」に加え、現在の岡山県に位置した古代の地方国家の「吉備国(きびのくに)」の団子という意味が含まれています。

きびだんごの特徴


吉備団子は、もち米に砂糖や水飴を混ぜて練った「求肥餅」のお菓子です。黍は風味付けなどに使われる程度で、メインで使われることはあまりありません。形は丸く小さめ。昔は串に刺したものが一般的だったようですが、今は箱詰めで販売されているものがほとんどです。

味は、黍の風味がついたシンプルなものだけではなく、餡が入ったものや白桃味、黒ごま味、マスカット味など様々な種類があり、岡山県の最も有名なお土産品として長く愛され続けています。

きびだんごの歴史


吉備団子は江戸時代末期に誕生したと言われています。

もともと、吉備国は黍の産地であり、黍団子はよく作られていたと言われていますが、これをお茶菓子として、また、旅に持参しても食べることができる日持ちするものに改良を重ね、現在の求肥餅の「吉備団子」の形が出来上がったようです。

そして、この求肥餅の「吉備団子」を作ったのが、創業160年になる「廣榮堂」の初代、武田浅次郎。「廣榮堂」の公式サイトには、きびだんごの歴史や、昔話「桃太郎」についてなど、興味深い話が掲載されています。興味がある方は是非覗いてみてください。

吉備団子については他にも、吉備国にあった吉備津神社にまつわる説がいくつか存在しています。吉備津神社では昔から黍団子があり、それにヒントを得て吉備団子が作られた、という話や、吉備津神社の祭礼の供えものを、参拝土産として渡していたものが後の吉備団子である、という話など、様々な説があるようです。

きびだんごが登場する昔話「桃太郎」


日本人であればみんな知っている昔話「桃太郎」。桃から生まれた桃太郎が、鬼を退治するために犬、猿、雉を引き連れて鬼ヶ島へ向かうという話で、広まったのは室町時代だと言われています。

この話の中に、犬、猿、雉を仲間にするために桃太郎がきびだんごを与えるシーンが出てきますが、このきびだんごは、「黍団子」。岡山の特産品の「吉備団子」ではありません。

さらに、初期の桃太郎物語では、黍団子ではなく違う団子が登場していたという説もあり、岡山県の吉備団子と桃太郎の関係は、吉備団子の販売促進として後付けでできた可能性が高いようです。

ただし、桃太郎のモチーフは吉備国を平定した「吉備津彦命」という人物である、という説があり、岡山県と桃太郎に全く関係がないわけではなさそうです。現在では、岡山県は「桃太郎伝説発祥の地」として最も有名になり、吉備団子のパッケージにも桃太郎の絵が使われ、桃太郎のきびだんご=岡山県の吉備団子というイメージがすっかり定着しています。

ちなみに、桃太郎は陰陽五行説を元に作られているという面白い話があります。

陰陽五行説は、古代中国で生まれたもので、東洋医学のベースにもなっているものです。陰陽道において、北東は「鬼門」と言われ悪い方角、南西は「裏鬼門」と言われ鬼を封じる方角と言われていますが、それぞれに配置されている十二支が、まさに桃太郎の世界そのものなのです。

五行において、方角は十二支(干支)で表されます。「鬼門」である北東は「丑(うし)」「寅(とら)」、「裏鬼門」である南西から北西にかけては「申(さる)」「酉(とり)」「戌(いぬ)」が配置されています。さらに、この「申」「酉」「戌」が配置されている方角は五行の中で秋の象徴「金行」呼ばれ、果物で表すとなんと「桃」!

「桃」太郎が、「申(さる)」「酉(とり=きじ)」「戌(いぬ)」を道中お供にして、「鬼」ヶ島の鬼=丑(うし)の角を持ち、寅(とら=虎)のパンツをはいている悪しきもの、を退治しに行くという、桃太郎のお話が陰陽五行の中に隠されているというわけです。

ここでは簡単な説明しかできませんが、詳しく知りたい方は是非「陰陽五行説」についても調べてみてくださいね。

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奥田彩(Aya Okuda)

奥田彩(Aya Okuda)

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フードコーディネーター
食育インストラクター
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フードライター
食の美味しさ、楽しさ、大切さを発信すべく、地道に活動、勉強中。

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