オーガニックメディアで国内最大級の読者数 IN YOU 松浦愛編集長インタビュー「それでも私たちが伝えたいこと」前編

更新日:2019/02/01 公開日:2017/09/08

85万人。これはマクロビオティック・オーガニックをベースにしたWebメディア「IN YOU」の月間読者数です。

わずか3年半でここまで支持を得た裏側には、様々な壁があっても”想い”を伝えようとする編集長とスタッフがいました。松浦編集長にその”想い”とIN YOU立ち上げの背景を伺いました。

たった3人から始まった。自分たちにできること


3年半前はブロガーだった松浦編集長。ジャンクな生活が続いて、アレルギーやめまいなど、病気ではないけど体の不調が続いていました。

しかし、食生活を変えて活力を取り戻し、そこから個人でベジやオーガニックの情報を発信するようになりました。そして、個人だけのカに限界を感じ、何かできたらいいね!と始まったのが「マクロビ大好き!(IN YOUの前身)」です。

しかし、組織としてきちんとした体制があるわけではない中、記事が出なかったり、片寄った情報だけの時期もあり、なかなかいいね数も増えず、一旦は解散のような形になってしまいました。


「どうしても続けていきたい。」と思った松浦編集長。2年前に「マクロビ大好き !」から陰陽五行の陰・陽を表す「IN YOU」として、新体制となりました。

しかし、マクロビオティックをベースに情報を発信しているのは今も変わりません。

「ただ単に海­外の流行を追うのは、長続きしないと思うんですね。情報としてもうすっぺらくなってしまう。その情報が日本人にあうかもわからないですし。

体の不調があった時に陰陽や内臓のつながりを捉えたり、腎を鍛えるというのは西洋にはない考え方ですよね。他にはないです。読者の方に本当に必要なもの、あっているものを伝えたいので。読者が何を求めているかは絶対に忘れたくな­いんです。」

毎日記事を公開しているIN YOUですが、フォロワーを増やすために闇雲に記事を増やすようなことはしないそうです。多く出して質を下げるのでは、記事全体が軽く受け取られてしまいます。時には、ライターに記事を一からやり直ししてもらうこともあるそうです。


3周年記念パーティでの一コマ。この日のために150名以上が集まりお祝いしました。

月日を経て、読者も変化しているようです。

「読者はどんどん成長しています。同じことをやっていてもだめですね。」と言って笑う松浦編集長。

「より深い情報を求める読者に見合った記事を書く一方で、まだ何も知識がない方にも伝えていきたい。さらに、ここ最近消費者の情報感度はどんどん高くなっていて、良くも悪くも流行に飛びついてしまう。私たちも業界全体も成長して、正しい情報を発信していく必要があると感じます。」

オーガニックという視点から

「マクロビ大好き!」からIN YOUに名前を変えたことにはもう一つ理由があります。マクロビオティックだけに内容を限定してしまうと、世界に発信するには範囲が限られてしまうからです。

さらに、松浦編集長はIN YOUで情報を発信していく中で、食材の質も大事だと強く感じるようになっていきました。


「マクロビでは本来、皮も根も丸ごと食べる一物全体(ホールフード)という考えがあります。そうすると本当だったら無農薬でないとできないですよね。それってオーガニックなんですよ。でも、マクロビをやっている人でも農薬をたくさん摂取してしまっている人もいて。本当にそれで健康なのかと。」

松浦編集長のお話を伺って、ジャンクベジタリアンという言葉が頭に浮かびました。動物性脂肪が気になって、ベジタリアンになったもののポテトチップスやパンばかり食べてしまい、肥満・糖尿病のリスクが返って高まってしまう傾向の方がいるそうです。

ライターもビーガンになりはじめの頃のことを思い出しました。何を食べていいかわからず、市販のお菓子を食べながら、動物性を食べてないから健康!などと思っていました。

今考えると、あれを続けていたら添加物の摂取も多く、栄養素も偏りすぎで逆に病気になっていたのではないかとゾッとします。。

食生活について考える時には、その種類だけでなく食事の質も真剣に考えたいですね。


先日、ドイツに視察に行かれた松浦編集長。普通のスーパーでもオーガニック商品の品揃えは日本の100倍!ビーガン商品も10倍はあり、ビーガンヨーグ­ルトだけでも5、6種はあったそうです。

ドイツといえば、ソーセージなど肉食の国というイメージですよね。ですが、当たり前のチョイスとしてビーガンやオーガニックがあり、何かを否定するわけではなく自然に取り入れていたそうです。


では、日本でオーガニックを広めるにはどうしたらいいのでしょうか?と松浦編集長に伺うと、

「個人の力を軽んじないことですね。みんなが思ってるより、一人一人の力はすごいですよ!自分の力を信じることです。5年、10年とあなたがオーガニックの消費活動に取り組む姿を見てみんなが変わる、と私はよくお伝えします。

次に、身近なところから声を上げること。それから、同じ意識を持ったコミュニティを作ること。一人ではなかなかできないことも、スピーディーにできますよね。」

まさに、自分自身が発信し続けることからはじまって、IN YOUとして実践してきたからこそ言える言葉ですね。

後編では進化を続けるIN YOUのオリジナルの取り組みや、気になるこれからのことを伺います。

松浦 愛
インターネット業界勤務を経て、27歳で起業しオーガニックなライフスタイルを提案するWEBマガジンIN YOU代表・編集長に就任。オーガニックWEBマガジン IN YOUインユー、IN YOU Market、IN YOU LINE@、オンラインサロン IN YOU リアルタイム通信を運営。編集長就任からわずか10か月未満で以前の4倍以上のPVを獲得。現在月間約85万人以上が読む、オーガニック業界のメディアの中で国内最大級の規模を誇る。

IN YOU
http://macrobiotic-daisuki.jp/

※記事の内容は取材時点のものであり、変更される可能性があります。

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岩田 絵弥曄 / Emika Iwata

岩田 絵弥曄 / Emika Iwata

ヴィーガンフードアナリスト®︎
ベジタリアン・ビーガン・グルテンフリーなどヘルシーな食のフードライターとして活動。 保育士経験から子供たちの未来を守るため、オーガニックや自然栽培など食の安全にも取り組む。インバウンド対策やアレルギー・環境問題から、ヴィーガンに関するセミナー等も開催。自身も10年以上のヴィーガン。 メディア出演:The Japan Times、日テレ「人生が変わる1分間の深イイ話」、チバテレビ「ジャルっと爆ハリ」等。