インタビュー

【本道佳子さんインタビュー】食を通して世界を平和に!野菜料理の素晴らしさを伝えるために走り続ける「和ビーガン」シェフの熱い想いとは?

今は閉店してしまった東京・湯島のビーガンレストラン「湯島食堂」をご存じですか?

「ミラクルランチ」や「上昇ごはん」など、身体も心も生き返る、野菜のみで作られた料理に魅了された人々は数知れず。今でも復活を望む声が絶えることはありません。

そんな湯島食堂のオーナー・シェフを務めていたのが、本道佳子(ほんどうよしこ)さん。

NYやロサンゼルスなど、世界中で料理を作り続けた一流シェフは、何故お野菜だけのビーガン料理へと行きついたのでしょうか?

今回は、本道さんにインタビューを決行!野菜・ビーガン料理への想いや、自身で立ち上げたNPO法人「国境なき料理団」、病気の方との食イベント「最期の晩餐」など、食の活動についてたっぷりとお話を伺いました。

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パワーがある野菜を求めてビーガンシェフに。


本道さんは、NYの高級店「ハドソンリバークラブ」や「野村エグゼクティブダイニング」などでシェフを歴任、ハリウッド映画へのケータリングなどもこなした一流料理人です。10年ほどアメリカを拠点に活動し、2000年に日本に帰国しました。

海外では、様々な食材を使い、VIP向けに料理をしていた本道さん。自身も世界の美味しいものを沢山食べてきた、と話します。

そんな本道さんが、何故ビーガンシェフに?

「外国では、美味しいものを沢山食べて死のう、ぐらいの気持ちで様々な美味しい料理を食べ歩きました。

そんな中、NYからロサンゼルスに拠点を移した時に、オーガニックやマクロビオティックを知ることに。オーガニックの元気な野菜に触れる機会が多くなりました。

2000年に帰国してから日本のスーパーで野菜を見ると、どれも綺麗に並んでいるけどエネルギーがない!綺麗にパッケージされていて、お洋服を着せられているように感じました。

『もっとパワーのある野菜を食べないと、将来日本人はいなくなってしまうのではないか?』と強く思いました。」

日本の将来に危機を感じた本道さん。それでも、絶対にパワーがある野菜を作っている人がどこかにいるはず!と、日本中を歩いて元気な野菜を探し始めます。

「私が帰国した頃は、ちょうど郊外で有機栽培を始める人が増えてきた時期でした。

自分達でこだわりを持って野菜を作り、自分達で販売する。とても素晴らしいことですが、ケースに入りきらない、形が悪いものや規格外の大きさのものは、捨ててしまっていたんです。

野菜は大きくても小さくても、どんな形でもみな同じ命。とてももったいないと感じました。捨てるなら、それをいただいて料理を作れば良いのでは?と思い、野菜料理をするようになったんです。」


日本の元気な野菜を、もっと多くの人に食べてもらいたい!そんな想いから始まった本道さんの野菜料理家としての活動は、農家のお野菜を使ったメニュー開発や、海外のゲストへの料理提供など、様々な広がりを見せていきます。

その後、2010年に、肉・魚・乳製品・卵を一切使用しないビーガンレストラン「湯島食堂」をオープン。そこには、本道さんのこんな想いがありました。

「それまで、色んなレストランのシェフに野菜料理の普及についてお話してきましたが、誰も続けることができない。その理由は『お金にならない』など様々。これは誰かが成功例を作らなくては!と思い、自分でお店を始めたんです。」

湯島食堂は、残念ながら既に閉店していますが、緑に囲まれた本当に素敵な食堂。予約も多く入っており、野菜料理ファンでにぎわっていました。未だにまた湯島でレストランを…と願う人達が後を絶ちません。

「湯島食堂ができてから、町のカフェで野菜のメニューが増えたように思います。シンプルなのに、素材の味を生かした満足できるメニュー。それがビーガン料理です。

これからもっともっと、普通のお店で野菜だけのメニューを導入してくれるといいな、と願っています。」

本道さんの野菜料理への想いは、様々な活動を経て、少しずつ確実に、世の中を動かしているのです。

食で世界を平和にしたい…!「国境なき料理団」の設立。


湯島食堂をオープンして2年後。「食で世界平和を実現できたら…」という想いのもと、NPO法人「国境なき料理団」を設立した本道さん。

「10年ほど前から『食を通じて世界が平和になれば良いな』と思っていました。

食を通じて世界の文化の違いを知り、それを楽しむ。世界中の人が、一緒の食卓で食事を楽しむ。それができたら、国境なんてなくなってしまうのではないでしょうか?

食を通じて、人々の垣根をなくす。そんな想いで『国境なき料理団』を設立しました。」

世界には様々な食のポリシーが存在します。それは、宗教上のものだったり、アレルギーなどの体質によるもの、そして、環境に対する個々の想いなど様々。

そんな時、幅広い人達が食べられる美味しい料理…。それは「野菜だけを使った料理」。

美味しい野菜料理の普及は、誰でも同じものを美味しいと楽しめる環境により近づくということ。本道さんは、ビーガン料理を広めることで、世界の人達の「違い」を取っ払ってしまいたい!と思っているのです。


「今の主な活動は、日本国内の被災地での炊き出し。また、病気の方やお子さんへの食育の依頼も多いです。

こうして少しずつビーガン料理が普及していき、毎日の食卓を平和で穏やかなものにしていくことは、いつか必ず世界平和に繋がっていくと信じています。」

若い人へ向けたイベントから、病気の方を支えるイベントへ。「最期の晩餐」の意味とは。


本道さんはもう一つ、食の大切さを伝えるためのイベントを行っています。その名も「最期の晩餐」。

末期ガンなどの重い病気を抱えている方達とそのご家族に、本道さんの野菜料理を食べていただくという病院と提携したイベントです。

「最期の晩餐」とは、何とも衝撃的なタイトルに思えますが、何故このタイトルなのでしょうか?

「もともと、最期の晩餐は、若い人達が今の食生活を見つめ直すきっかけになれば、と思い始めたものでした。調味料や食材など、何が自分にとって良いものなのか、自分で選べるようになってほしい。

いつまでも好きなものが食べられる健康な身体で、最期に自分の好きなものを食べられるような人生を送ってほしい、という願いを込めて『最期の晩餐』と名付けました。」


毎日食べてきたものが、今の身体を作っている、と本道さんは言います。若いうちから食べ物に対しての知識を持つこと、選ぶ目を養うこと。それが伝えたくて、本道さんはイベントを始めました。

当初は、まさか病気の方に料理を作る機会があるとは思っていなかったそうです。

「それが、病気の方に自分の料理をふるまう機会をいただくことに。『病気になったけれど、これからの人生をもう一度生きていきましょう』という想いを込めて、あえてタイトルはそのまま『最期の晩餐』で通すことにしました。」

名前がかなりシリアスなため、最初は集まる人達も少なく、重病の方が多かったそう。しかし、テーマはあくまで「生きること」。

「自分は最期の晩餐に何を食べたいか?」と考えることができるくらい、もう一度食というものに目を向けてほしい。それは、食において「病気と決別する」ことも意味します。

「病気になると、『これを食べると具合が悪くなるんじゃないか』『食べることで周りに迷惑をかけるんじゃないか』と食べることを躊躇してしまう方が多いんです。食べることに自信がなくなり、楽しみを感じなくなってしまう。それを変えたかった。

『野菜だから食べやすいですよ!』『残しても大丈夫!』と、まずは無理なく食べていただく。そうすると、いつもより量を食べることができた、おかわりできた、という方が増えていった。これは改めて食に気持ちが向く非常に良いきっかけになるんです。」


病気だって、美味しいものを食べることができる。食べることを諦める必要はない。本道さんの強い想いが通じ、最期の晩餐は、最終的には100人以上の方集まる大きなイベントとなりました。

「私は、病気の方にもそうではない方にも、同じように料理をします。病気の方は、病院食などを食べていることが多いですが、食べる意欲を湧かせるためには、元気な人と同じものを食べることが大切!野菜料理にはその可能性があると思います。」

2020年のオリンピックに向け、ビーガン料理のさらなる普及を!


野菜を使った料理=ビーガン料理を通じて、食の大切さを伝え続けている本道さん。今後もさらなる普及のために、様々な構想があるようです!

「まずは2020年のオリンピックに向けて。海外の先進国ではベジタリアン・ビーガンというくくりが当たり前にあるのに、日本はまだまだ遅れを取っています。飲食店では、スタッフに一つ一つ質問・確認して選ばなければならない。

オリンピックのタイミングで、今以上に多くの外国人が日本を訪れます。それまでに、ベジタリアン・ビーガン食をさらに普及させるため、私も活動していきたいと思っています。」

オリンピックに出場するアスリートの中には、ベジタリアン・ビーガン食にこだわる人達も多くいます。日本の環境に慣れるために、オリンピック開催年の数年前から、日本で合宿を行う国もあるのです。

そこでもし、食の対応が遅れていたら…。アスリート達を受け入れるためにも、日本でも早くから準備しなければ、と本道さんは話します。

「ベジタリアン・ビーガン食では、野菜が命。パワーがある野菜の供給もまだまだ足りません。自然栽培の畑ももっと増やさなければいけないし、それに協力する体制がなければ。」

オリンピックまでもうすぐ。世界中の人が日本滞在中に安心して食事を楽しめるように、やるべきことはまだまだ沢山あるのです。

また、本道さんは、近々ビーガンのホームページをオープンする予定なんだそう。本道さんがこれからやりたいことや、今までやってきたこと、本道さんが共感できる活動や情報を1か所に集めてアップしていく予定です。

サイトが完成したら、様々なビーガン情報をまとめてチェックできるようになり、今後のビーガン料理普及の大きな一歩になりそうですね!

さらに、2018年の1月には、岐阜県の関市洞戸(ほらど)に、リトリート施設がオープン。そこの料理に菜食が採用され、本道さんがメニューを手掛けます!

「施設の名は、『リボーン洞戸』。ガン患者さんなど、病気をした方が、病気を通して生き方を変える=リボーンするための施設です。ここで私と一緒に料理してくれる、料理人を募集しています!

洞戸は本当に素晴らしいところ。水も良く、間違いなく美味しいものが作れます。興味がある方は是非立候補してほしいです!」

自分の信念に従い、常に走り続けるビーガンシェフ、本道佳子さん。これからのビーガン料理普及に欠かすことのできない一流シェフと一緒に料理ができるチャンス、興味がある方は是非!


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奥田彩(Aya Okuda)

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Vegewel Style編集長
フードコーディネーター
食育インストラクター
食空間コーディネーター
フードライター
食の美味しさ、楽しさ、大切さを発信すべく、地道に活動、勉強中。

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