私たち八芳園の新スタンダードは自然栽培と食のバリアフリー!歴史ある式場が新しい食の道へ「八芳園(はっぽうえん)」【白金台】

江戸時代から続く庭園があり、結婚式場や法人企業のイベント会場として有名な八芳園(はっぽうえん)。

先日、トリップアドバイザーと東京都交通局が主催する「TOKYO100」で「世界に自慢したい東京の観光スポット100」に選ばれました。
極上のひとときを過ごせるということで、日本人はもちろん、海外の方にも人気です。

そんな格式ある八芳園が挑戦している新しい食の形、それは自然栽培と食のバリアフリーです。

八芳園で提供されるお食事は年間10万食。それらを全て自然栽培で対応するというのはとても大きな一歩でしょう。

さらに八芳園では、ビーガン対応メニューやハラル対応懐石料理、7大アレルゲンフリーの婚礼メニューも提供を始めています。

なぜ、八芳園は今ここで新しい食への挑戦に舵を切ったのでしょうか?

1万坪の日本庭園を見ながら、都会のオアシスで食のバリアフリーを取り入れたお食事を。


樹齢数百年の樹木や渡り鳥の姿を見ることができる、約1万坪の由緒ある日本庭園。

八芳園の名の由来である、「裏・表なく八方から眺めて美しい」という言葉が五感全部で感じられます。外の喧騒がまるで嘘のよう。ここだけ時が止まったように感じられます。


八芳園は昨年大きな一歩を踏み出す決意をしました。披露宴や会食・パーティーで提供するメニュー全てに、自然栽培の野菜を使用する挑戦が始まったのです。

自然栽培の取り組みを広げると同時に、「自然栽培の仲間たち」や、障がい者が働く場を作る活動をしている「農福連携自然栽培パーティ」ともタッグを組んでいます。

自然栽培の野菜を使用することは、消費者からは想像しにくいですが、飲食店、特に大量調理をする側からすると大変なことなのです。例えば…

・悪天候によって食材が手に入らなくなり、メニューの変更を余儀なくされることがある。

1日2,000食以上、何百人の人に同じメニューを提供しなくてはならない八芳園。しかし、自然の影響を特に受けやすい自然栽培の野菜を使うということは、必要量が急に揃わなくなるアクシデントがありえます。

・慣行栽培と違い形を均一にするのが難しい。

八芳園では、以前は盛り付けのため、「○○センチくらいの人参」と、大きさを指定して注文していました。

自然栽培の野菜は形が不揃いのものが多く、フランス料理のようなあらかじめ決められた形での盛り付けは食数が多いほど難しくなります。

今は、その時に用意できた食材を、一皿の中でどう綺麗に見せることができるかを日々学んでいるそうです。


こうした困難を乗り越えながらも、食材を変えたのはどうしてでしょうか。

まず、八芳園では2019、2020年に向けて、ますます増える海外のお客様をお迎えするために、食の安全に注目しました。

また、同時に結婚式以降も生涯かけてお客様と長くお付き合いできるよう、健康に貢献したいとも模索していました。

その時、アレルギーの原因の一つに、農薬や食材に蓄積されたものにあるとわかります。これら2つのことが導入の決め手となったのです。

八芳園では、食材だけでなく提供メニューの改革も始まっています。その一例をご紹介します!

八芳園の新しい食を楽しめる極上空間「Thrush Café(スラッシュカフェ)」


季節と共に変わっていく庭園を眺めながら、こだわりの野菜を使った料理をいただけるのがThrush Café(スラッシュカフェ)。

ランチタイムにはランチフルコース3,800円(税・サービス料別)、パスタセット1,800円(税・サービス料別)があり、季節にあわせたメニューをいただけます。

ディナータイムではキャンドルが灯り、極上のひとときを過ごせます。テラス席でお庭を眺めながらワインを飲むのも贅沢。会話も弾みそうです。

どんな時間に来ても、時がゆっくり感じられる空間です。


極上の空間で味わうのは、その日その時に届いた野菜を使った料理。

料理には江戸東京野菜を作る東京国分寺市の有機栽培農家、小坂農園の野菜も使われていて、地域の農家を応援することにもつながっています。

野菜だけではなく、他の食材も健康や環境に配慮したものにこだわっています。肉もストレスフリーで育てられた、話題のグラスフェッドビーフを使っています。


旬の野菜を堪能できるコースメニューだけでなく、アラカルトもありシーンに合わせて大切なひと時を過ごせます。

こちらは期間限定、雪のように真っ白な「カリフラワーのリゾット」です。雪をイメージし、真っ白に仕上げたリゾット。冬に旬を迎えるカリフラワーを使用し、コクのある、濃厚でクリーミーな味わいです。


スラッシュカフェでは、「キノコのロースト」や「ショートパスタ大豆のミートソース」など、常時5種類のオリエンタルビーガンメニューがあり、メニューによっては低アレルゲンメニューに変更も可能です。

食生活の違いを気にせずにみなさんで楽しくお食事ができます。

ムスリムフレンドリーなハラル和牛を使った会席料理。「壺中庵(こちゅうあん)」


八芳園の正門をくぐってすぐ目の前にある料亭、「壺中庵(こちゅうあん)」。

どの個室からも庭園を眺められ、彩り豊かな会席料理を味わうことができます。昭和25年創業の歴史に新しい感性を取り入れながら、五感で楽しめるお料理が作られてきました。


こちらで昨年12月より始まったのが、ムスリムフレンドリーの会席料理です。

せっかく日本に来たのに、食の制限から日本食を食べることができない海外旅行者の話をよく聞きます。

そういう方のために、こちらの懐石料理ではムスリム対応の食材・調味料を使用。牛肉も「ハラル和牛」(認定証付)を使用しています。

何かを使わない「レス」ではなく、これだけで美味しいという「プ­ラス」な対応をしたい。


2月からは自然栽培の食材使用・7大アレルゲンフリーの婚礼メニューの導入が決まりました。

今後は宴会のビュッフェも、ビーガン・7大アレルゲンフリー・ムスリムフレンドリーの食事が並ぶものにしていくそうです。

その時々だけ食の制限に対応するのではなく、八芳園として食のスタンダードの変更に挑戦している理由には、時代の流れがありました。


・アレルギーや食の制限が年々増えた結婚式。

結婚式場として有名な八芳園。毎月行われる結婚式で202件中185件、実に90%以上がアレルギーなどの食の制限があったそうです。

結婚式の1ヶ月前、招待状の返事が来る頃に出席者のアレルギーの有無がわかりますが、その時期は新郎・新婦にとっては一番忙しい時期。

従来は食事の対応でかなりの時間がかかっていました。

普段から食のバリアフリーにすることで効率よい対応ができ、お客様の大事な時間を式をもっと良いものにするために使うことができる 。さらに八方園としても働き方改革になるのでは?と、新しい食を取り入れました。


・増えるインバウンド、多様化する食の制限に対応。

日本庭園でイベントができるという希少性もあり、インバウンド・外資系企業のイベントがすごい勢いで増加しています。予約が入らない日はないくらいだそうです。

事前に来客のアレルギーチェックをお願いしていますが、 400人以上いる会場で、当日どなたに食の制限があるのかをミスなく確認することに時間を要してましたが、7大アレルゲンフリーのメニューにすることで、スムーズにご案内できるようになりました。


・最上級のおもてなしへの追求

結婚式の本質は「集まって祝う。」です。食の制限を持つ人だけ提供時間やメニューを変えることは、その人が他の人と違うということを周りに知らしめてしまってるのではないか?

「これはおもてなしとは逆の行為なのではないか」と八芳園は考えました。

今の時代は、誰かを特別扱いするのではなく、皆さんが共有できる美味しいメニューを作るのがゴールではないかと思ったのです。

結果、自然栽培の美味しい野菜を使えば、誰でも満足して食べられる上に、アレルゲンフリーメニューで食の多様性も実感してもらえる。そして、それがお客様の満足度に繋がることがわかったそうです。

アスリート食も!オリンピックに向けて、さらなる進化へ。


空前のパーソナルジムブームから、健康による美しさが注目されている昨今。今後八芳園では、六本木のトータルワークアウトと協力し、低脂肪・低糖質・高タンパク食のアスリート食にも力を入れて行く予定です。

東京国際マラソン後に海外からの参加者がオプションで参加できる八芳園でのアフターランパーティ。今年はアスリート食のブュッフェを提供予定なのだとか。

アスリートだけではなく、無理なダイエットをしがちな花嫁さんにも、きちんと食べた上で体を整えていくのが大事だと­いうことを伝えたいと言います。


オリンピック・パラリンピックに向けて日本の食にどう対応していくか。八芳園では「自然栽培の仲間たち」や「自然栽培パーティー」とも協力しながら準備をしています。

オリンピックでは食の安全のため、一定以上の基準の食材を積極的に使うようにと国から指針が出ていますが、まだ対応は追いついていません。

有機や自然栽培食材は基準をクリアする可能性が非常に高く、そうなると世界に日本の有機・自然栽培食材をアピールすることができます。

また、天候により取れすぎてしまった旬な食材があれば、八芳園でレトルトやケータリングに使うソース・スープにすることができるという可­能性も見えてきました。

日本国内の需要に応えると同時に、海外に輸出する未来も現れてきたのです。

こうした取り組みによって、将来的には自然栽培の需要も増え、農家や障害を持つ方の雇用が増えたらと、八芳園は農家さん達を応援しています。

お客様をお祝いしたい、応援したい!と思う気持ちが、結果として日本を盛り上げることにつながっているように感じます。

同じお祝いをしてもらうのであれば、末永くお付き合いしたいから健康もサポートしたいと言ってくれるところを選びたいですね。

八芳園
http://www.happo-en.com

壺中庵
http://www.kochuan.co.jp

Thrush Café
https://www.happo-en.com/restaurant/thrushcafe/

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≪前編≫人生の記念日を何度も過ごしてもらうために、お客様の健康を支えたい。オーガニックライフレストランANNIVERSARY GARDENで極上の自然栽培食材を使った7大アレルゲンフリーメニューを。【白金台】
≪後編≫未来につながる幸せを食を通して届けたい。オーガニックライフレストランANNIVERSARY GARDENで極上の自然栽培食材を使った7大アレルゲンフリーメニューを。【白金台】
東京オリンピックまでに、自然栽培と食のバリアフリーで日本を健康にする食事を!ALL ATHLETE DREAM DINNER自然栽培パーティ・八芳園】

※記事の内容は取材時点のものであり、変更される可能性があります。来店時には、あらかじめお店にお問い合わせいただくことをお勧めします。

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岩田 絵弥曄 / Emika Iwata

岩田 絵弥曄 / Emika Iwata

ヴィーガンフードアナリスト®︎
ベジタリアン・ビーガン・グルテンフリーなどヘルシーな食のフードライターとして活動。 保育士経験から子供たちの未来を守るため、オーガニックや自然栽培など食の安全にも取り組む。インバウンド対策やアレルギー・環境問題から、ヴィーガンに関するセミナー等も開催。自身も10年以上のヴィーガン。 メディア出演:The Japan Times、日テレ「人生が変わる1分間の深イイ話」、チバテレビ「ジャルっと爆ハリ」等。