中華料理の最高峰。本格「広東料理」をベジタリアンコースで味わえる。「カントニーズ“燕”ケン タカセ」【東京駅】【Vegewel特典】

更新日:2019/02/01 公開日:2017/12/26

2012年10月3日、長いお休みを経てリニューアルオープンした、東京駅舎の「東京ステーションホテル」。その中に、本格広東料理のベジタリアンコースを楽しめるお店があるのをご存じですか?

「カントニーズ“燕(エン)”ケン タカセ」。

マンダリンオリエンタルホテルの有名店「カントニーズダイニングSENSE」の初代料理長を7年務めた広東料理のスペシャリスト、高瀬健一(たかせけんいち)さんが腕を振るう一流店です。

中国では昔からあるという「もどき料理」を始め、野菜をふんだんに使った見た目にも美しい広東料理のベジタリアンコース。

今回は、高瀬シェフとマネージャーの昆野修(こんのおさむ)さんにインタビュー。一度は食べたいベジタリアンコースや、高瀬シェフの広東料理への想いについて、たっぷりと紹介していきます。

カントニーズ“燕”ケン タカセの場所や詳細な情報はこちら

東京駅のシンボル、「東京ステーションホテル」で優雅な時間を。


東京駅、といえば真っ先に頭に浮かぶこの建物。

東京駅のシンボルともいえるこの建物の中で、東京ステーションホテルは営業しています。


JR東京駅丸の内南口を出ると、正面にステーションホテルの地下へと続く階段が。ここを降りていくと、今回インタビューさせていただいた「カントニーズ“燕”ケン タカセ」があります。


店内は、明るすぎず落ち着いた雰囲気。席はゆったりと配置されており、気兼ねなく食事とおしゃべりを楽しむことができます。

お客様の9割が女性。この上品な空間はもちろんですが、女性から多くの支持を集めるのは、やはりヘルシーで本格的な広東料理が楽しめる、唯一無二のお店だから。

燕では、通常のコース料理に加え、ベジタリアンコースも定番メニューに入っており、ビーガンやベジタリアンだけではなく、多くの方が野菜中心の広東料理を楽しんでいます。

お坊さんも盗んで飲んでしまった?絶品看板スープ「佛跳牆(ファッテューチョン)」


まずご紹介したいのが、燕の看板メニュー「彿跳牆(ファッテューチョン)」。中国の乾物をふんだんに入れて煮込んだ、薬膳スープです。

「このスープは、美味しすぎてお坊さんが誘惑に負け、盗んで飲んでしまったという逸話があるんです。

元々中国にある彿跳牆は、フカヒレやアワビが入っており、お坊さんは食べることができません。戒律を破ってでも食べたいほどの美味しさだったんですね。

燕の彿跳牆はベジタリアン仕様なので、お坊さんも安心して飲むことができます。」と、昆野さん。

そんなに美味しいスープとは!しかも燕ではベジタリアン仕様で飲めるなんて、何とも嬉しいですね。


燕の彿跳牆に入っているのは、

  • 茶樹茸(中国では「幻の茸」と言われるきのこ)
  • 袋茸(丸い形のきのこ。切った断面がきのこが袋に入っているように見える)
  • 大豆
  • 干し椎茸
  • 金針菜(中国の高級食材)
  • 広東白菜
  • 山伏茸(中国では王に献上する高級食材。脳を活性化させると言われる)
  • なつめ

の8種類の乾物。


味付けは塩のみというシンプルさながら、これらの乾物が出す旨味が全て染み込んだスープは、見るからに美味しそう!この色が、味の深さを物語っていますよね。

彿跳牆は、ベジタリアンディナーコースなど、一部コース料理に含まれているのと、アラカルトでもオーダーが可能です。

本場の最高級「もどき料理」。ベジタリアンコースの感動の内容を紹介!

それでは、本格広東料理のベジタリアンコース、そのメニューの一部を紹介していきます。


こちらは「豚肉に見立てた大豆ミートと季節野菜の酢豚風 中国鎮江黒酢とザクロビネガーの甘酢ソース」。

ベジタリアンランチコース「健燕(HEALTHY SWALLOW)」(税抜3,800円)のメニューです。

酢豚は大豆ミートを使って再現。黒酢は特別なもので、中国の「鎮江香酢」を8年熟成させたものです。ザクロジュースを使っているのもポイント。

野菜の彩りと鮮やかなソースの色が美しい!大豆ミートも、見た目が酢豚そのものですね。


こちらは「揚げ豆腐の茄子と大豆ミートの豆板醤煮込みあんかけ」。

ベジタリアンディナーコース「翠燕(GREEN SWALLOW)」(税抜8,800円)のメニューです。

あんかけのひき肉が大豆ミート。大豆を使うことでコクが出て、食べごたえもあり満足感が得られます。こちらも様々な旬の野菜がたっぷり。ちょうど良い大きさの野菜を、あんかけに絡めていただきます。


燕では、オリジナルのソースを作っており、その味を邪魔しないように、大豆ミートを初めとした食材については、あまり味が入っていないものを選んで使っています。

食材の味わいと調味料の絶妙なバランス。これも中国料理の特徴と言えるかもしれません。

コース料理の他にも、おすすめが。

夜のメニューにある「パパイヤグラタン」。パパイヤを材料に、カレーで味付け、豆乳チーズを入れて焼いたベジタリアンメニューです。女性のお客様からの評判が抜群なんだとか。SNS映えもばっちりですよ!

他にも旬の野菜を使った料理が沢山。ベジタリアンメニューはもちろん、オリエンタルベジタリアン向けに、事前に相談すれば五葷抜きも可能です。

高瀬シェフは、調味料や食材など、常に新しいものをリサーチしており、メニューは常に進化しています。

広東料理一筋。高瀬シェフの中華料理への想い。


高瀬シェフは、中華料理の中でも、南部で発達した広東料理専門のシェフ。広東料理以外は興味がないという、その理由は?

「広東料理は、中華料理のほぼ全てを網羅しています。北京料理や上海料理など、中華料理には様々な種類がありますが、中国の代表料理と言えば、『広東料理』です。」

広東料理は、日本料理に例えると、「京料理」のような立ち位置だとお話してくれた高瀬シェフ。

「現代の日本料理の最高峰は、京料理の懐石ではないでしょうか。また、日本料理のあらゆる技術をふんだんに使っているのも京料理。

広東料理も中華料理の中では同じポジションです。中国全土の良いとこどりをした料理、それが広東料理なんです。」

高瀬シェフは、中国広東地区や、香港で修行。日本でも、いくつもの有名ホテルで広東料理を学び、作り続けました。

そして2005年、マンダリンオリエンタルホテルの「カントニーズダイニングSENSE」初代料理長に。広東料理の腕を振るうには、最高の舞台だったと言います。

「広東料理が発達した中国南部は、あらゆる食材が豊富。広東料理は幅広い食材を使っているのが特徴です。また、調理法も多く常に最新のものを取り入れている。

食べられそうなものは、豊富な調理法を駆使してとりあえずなんでも食べてみようとします。」

しかし、中国料理はとにかく色々なものがあり、調理法も多いですよね。何故なんでしょう?と伺うと。

「それは、単純に中国が広いから!良く聞かれる質問ですが、答えはシンプルです(笑)これだけの広さで、気候も様々。『中国』と一言で片付けてしまうのは、何だかずるい感じもしますよね。

海も山もあり、食材が豊富なのはもちろん、南のエリアは亜熱帯で調味料も豊富。一つの国で全てのものを賄えるというのは、中国以外にはほとんどないかもしれないですね。」


食材が豊富、気候が多岐に渡ることもあり、中国料理と言えば、季節関係なくあらゆるものを食べられるイメージがある方も多いかもしれません。

しかし、中国料理にも、四季折々の料理はあるんです、と高瀬さん。

「誤解している方が多いですが、本来の中国料理では、きちんと四季を感じることができます。

燕でも、日本の四季に応じて、季節感があるもの、旬のものを選んでいます。季節の色が出た料理を是非楽しんでください。

ちなみに今は広東エリアは蛇の季節です。日本では『えー!』と言われますが、向こうでは蛇を食べるのは当たり前の文化。身体を温める食材で、美容食として女性も普通に食べています。」

国によって、当たり前は様々。私達からすると、蛇を食べることなんてそうそうない出来事ですが、海外の人達からすると、日本人が当たり前に食べている生卵も、不思議がられる食べ物。その土地ごとに当たり前の文化があるのです。

健康・美容を考えた料理の数々で、身体も心も内側からキレイに。


広東料理一筋で料理人の道を歩んできた高瀬シェフ。ベジタリアンメニューに着目したきっかけは何だったのでしょうか?

「マンダリンオリエンタルで料理長をやっていた時に、ベジタリアンメニューの要望が多かったんです。

毎日一組~二組はそういったお客様がいらっしゃいました。もちろん対応させていただいていましたが、あくまで裏メニュー。

しかし、燕をオープンする時は、需要があるし、表のメニューとして打ち出していこうと思ったんです。」

実際、常設のメニューとしてベジタリアンコース料理を打ち出したことで、ベジ・ビーガン・マクロビアンのお客様が、そのコースを目当てに食べに来てくれることも多いそう。

「ただ、ベジタリアン料理は中国料理にとって特別なことではありません。昔から文化の中に、ベジタリアン料理・もどき料理は存在していたんです。メニューはそれを参考に考案しています。

さらに今は、砂糖を使わないでほしい、グルテンフリーで対応してほしい、などのリクエストをいただくことも多いです。事前にご連絡いただければ、全て対応は可能です。」

文化として昔から存在する広東料理と、今のニーズにマッチした料理。豊富な経験と知識に裏打ちされた技術で、その両方を合わせ持ったスペシャルな料理を提供するのが、高瀬シェフ。

特に今は健康志向のお客様も多く、健康・美容を意識してメニュー構成を考えることも多いそう。女性客が多く通う理由は、そんなところにもあるんですね。

また、常にトレンドをとらえた高瀬シェフの料理に魅了された女性客の中には、高瀬シェフのファンも多いんです!


※お忙しい中インタビューに快くお答えいただいた、高瀬シェフと昆野マネージャー。二人はとても和気あいあい。チームワークが伝わってきます。

常にヘルシー志向で舌の肥えた女性客を引き付ける、高瀬シェフの広東料理。今後はどのようなことに取り組みたいとお考えなのでしょう?

「燕はベジ・ノンベジどちらのお客様にも訪れていただき、同じテーブルを囲んでいただけている。それは大きな利点だと思っています。

今後の展望は特にないんですが…(笑)、もし機会があれば、この経験を生かして完全ベジタリアンの広東料理のお店をプロデュースしていみたいです。あとは、女性の美容に特化したお店も面白いですね。」

ベジ・ノンベジ関係なく、是非一度食べていただきたい、高瀬シェフの本格広東料理のベジタリアンコース。

健康・美容を気にする女性の皆さんはもちろん、グルメな男性や本格中華料理を堪能したい方、ヘルシーでちょっと贅沢な料理を楽しみたい方など、あらゆる方におすすめのお店です。

高瀬シェフにしか作れない本格広東料理を、日本の中心東京駅で是非堪能してみてください!

Vegewel特典

「カントニーズ“燕”ケン タカセ」より、Vegewelだけの特典をいただきました!

オーダー時に「Vegewelを見た」と伝えると、ドリンク一杯がサービスとなります。是非この機会に、「カントニーズ“燕”ケン タカセ」でお食事を。※2018年1月31日まで。

※記事の内容は取材時点のものであり、変更される可能性があります。来店時には、あらかじめお店にお問い合わせいただくことをお勧めします。

店舗情報

カントニーズ“燕”ケン タカセの場所や詳細な情報はこちら

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Vegewelは、ベジタリアン・オーガニック・グルテンフリーなど、あなたの食のライフスタイルに合わせてレストランを検索できるWebサイトです。

食の制限に関係なく、みんなで楽しく食事を囲める環境を日本に創るために、サービスを運営しています。

日本語と英語に対応、ヘルシーなレストランが1000店以上掲載されていますので、ぜひご利用ください!

AYA OKUDA

AYA OKUDA

フードコーディネーター
食育インストラクター
食空間コーディネーター
フードライター
食の美味しさ、楽しさ、大切さを発信すべく、地道に活動、勉強中。
得意分野は、日本の伝統行事食、食の日本史・世界史、テーブルコーディネート。
好きな分野は、カレー、ビール。